あなたはこのような経験はありませんか?
毎朝8時に出社し、9時まで残業。あなたは懸命に働いています。
その甲斐もあって、順調にポジションは上がり、収入面でも、周りから見れば羨まれるような立場にあります。しかしあなたは常に、同僚に対して一定の距離感を覚え、会社の方針に素直に納得できないこともしばしばです。むしろ同僚たちのほうがイキイキと働き、仕事を楽しんでいるように見えます。
もっと評価されていいという思いがますます強くなり、何か取り残されているような気持ちになることすらあります。
同僚のように、自ら仕事を楽しみ、自分をモチベートし続けるにはどんな秘訣があるのでしょう。彼らの仕事に対するアプローチとはどういうものなのでしょうか。
価値観が行動を生み、そして行動が結果を生み出します。あなたには自分の行動を方向づける一連の価値観があります。またあなたの組織にも、事業展開のあり方を規定する一連の価値観があります。自分の行動を組織の価値観に合わせることは、自らのモチベーションを高い状態で維持するためになくてはならないことなのです。
この演習では、あなたの行動を所属組織の価値観に合わせることを目指します。そのためにはまず、あなたの所属組織の価値観に関する証拠を集める必要があります。
1)あなたの所属組織の価値観に関する証拠を集める
“行動は言葉より雄弁”です。組織で受け入れられている行動から、価値観を抽出することができます。以下の5つの状況で、あなたの組織はどのように振る舞っていますか? 具体的な事例を思い出してみましょう。
1.顧客にはどのような対応をしているか
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- 先日コールセンターで、部長が完全にお客様に非があるにもかかわらず、謝罪を述べ、新品と交換していた。
2.社員たちはどのように連携しているか
- 例)
- 部署で毎日、ブレックファースト・ミーティングが行われている。参加を強制する雰囲気は全くないが、早朝にもかかわらずほぼ全員が参加し、活発に意見を出し合っている。
3.業務はどのように遂行されているか
- 例)
- あなたの部署の始業時間、会議への無遅刻記録が昨日で1年間となり、社内において歴代1位となった。
4.報奨システムはどのようなものか
- 例)
- 先輩2人のうち、どちらが部長になるか注目されていたが、先日の人事異動で、3年連続で営業成績第1位となったA氏が部長に昇進した。
5.研修やトレーニングを通して会社はどのような態度を奨励しているか
- 例)
- 研修には業務知識に関するものが多い。
2)証拠から価値観を引き出す
では先ほど集めた証拠から、組織の価値観を引き出します。価値観は一言でまとめるとよいでしょう。5つの証拠を集めたはずですから、5つの価値観が引き出されることになります。
- 例)
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- 顧客への姿勢:サービス第一
- 組織内の連携への姿勢:多様性の尊重
- 業務への姿勢:時間厳守
- 報奨制度への姿勢:お客様からの評価を最重要視
- 従業員の態度への姿勢:時間管理能力の向上