オンライン・トレーニング第17回 「重要領域」で生きる(2)

前回は「時間管理のマトリックス」について紹介しました。復習される方は前回分をご参照ください。→第17回「重要領域」で生きる(1)

●第 I 領域を装った、第 III 領域タスク

では最優先事項はどの領域に入るかを考えてみましょう。

本来、私たちが取り組むべき最優先事項は、第 I 領域(緊急かつ重要)と第 II 領域(緊急ではないが、重要)にあるべきです。優先事項は、あなたにとって重要なことでなければなりません。

第 I 領域または第 II 領域という「重要領域」で生きるには、第 III 領域(緊急ではあるが重要でない)に当てはまるタスクを減らす必要があります。

しかし、忙しさの中で過ごしていると、本当に重要なことなのか、緊急なだけなのかがわからなくなってしまうことがあります。

自分が現在、どの領域の中にいるのかを確認するには、以下の質問を自分に問いかけてみてください。

  • 「これは今しなければならないことか?」
  • 「これはそもそもしなければならないことなのか?」
  • 「この活動/タスクは重要な目的や目標の実現に役立つものなのか?」

発生したタスクに対する答えが1つでもノーであった場合、第 I 領域を装った第 III 領域のタスクの可能性があります。自分の優先事項に焦点を絞るということは、重要な優先事項にイエスと言い、緊急であるがために重要に思われるが実は重要でないタスクにノーと言うことを意味します。

●第 II 領域の有用さ

現代人は常に時間がありません。そのため第 II 領域の活動のための時間を捻出することは困難さを伴います。しかし、第 II 領域の活動のために時間を確保することによって、第 I 領域の緊急事項に対処する自分の能力を高め、第Ⅰ領域で過ごす時間を減少させることができます。

プランニング・システムを使って、こうした活動のために時間を確保しましょう。人生の優先事項に対して時間枠を計画するプロセスは、「タイムゾーン」構築と呼ばれます。タイムゾーンは、あなたの最優先事項を支援する特定の重要な活動のために確保した、まとまった時間のことを指します。

●重要事項を優先するためのステップ

重要事項を優先できるようになるためのステップを紹介しましょう。

  1. 私生活と職場での生活、両方における主要な優先事項を書き出してください。あなたの役割と照らし合わせながらブレーンストーミングしていけば、モレはなくなります。
  2. 各優先事項それぞれについて適当な時間を、毎週の予定に確保しておきます。
  3. 第Ⅱ領域の優先事項を見直すための時間を毎週スケジュール化します。日曜の夜か月曜の朝の30分前後をその時間にあてることをお勧めします。
  4. 緊急の事柄に直面するたびに、第Ⅰ領域を識別するための3つの質問(これは今しなければならないことか? これはそもそもしなければならないことなのか? この活動/タスクは重要な目的や目標の実現に役立つものなのか?)をします。

優先事項に焦点を絞るためには、重要な優先事項にはイエス、緊急だが重要でない事柄にはノーと言わなければならないということを覚えておいてください。

(完)