ビジネス・パーソンのための信頼構築講座 第1回【信頼の危機が訪れている】

『スピード・オブ・トラスト』の著者、スティーブン・M・R・コヴィーは、「信頼がもたらすスピード」をテーマに世界各地で講演するなかで、「信頼の危機が訪れていると感じる」と語っています。

たとえば、さまざまなところで聞かれる、信頼に関する不満と落胆の声には以下のようなものがあります。

  • 職場の権力争いに耐えられない。自分は同僚に足を引っ張られているように思う。誰もが我こそはという感じで、そのためなら何でもしそうだ。
  • 自分が今働いている所は、官僚的な手続きに縛られて組織が硬直しているから、何をするにしても時間がかかる。鉛筆1本買うのにも承認が必要なほどだ。
  • 職場ではどんなに頑張っても認めてもらえないような気がする。

これは組織における信頼関係のなさを表す一例です。さらに、アメリカで取られた統計を紹介しましょう。

  • 経営陣を信頼している社員・・・51%
  • リーダーの行動に誠実さを感じる社員・・・36%
  • 暴露されたら社会的信頼に背くことになる非合法または、非倫理的行為を過去1年間に目撃した社員・・・76%

いかがでしょうか。組織における信頼の欠如が深刻な状況であることがおわかりいただけるでしょう。3/4ものビジネス・パーソンが行われるべきでない行為を目撃しているというわけです。

こうした状況は、企業や組織にどのような影響を与えるでしょうか。経営陣を尊敬していない社員は、経営陣からの指示や戦略に心からついていこうとするでしょうか。常に疑心暗鬼になり、損得勘定の上で動こうとするでしょう。

リーダーの行動に誠実さを感じない場合はどうでしょう。誠実さで応えようとは決してしないでしょう。非倫理的行為を目撃した人も同様でしょう。

あなたの周囲ではいかがですか? 信頼が構築されていると感じる瞬間、逆に信頼の欠如を痛感する出来事は頻発しますか。まずは、あなたの周囲における信頼関係はどのような状態なのかを考えてみましょう。

  • あなたの周りで、信頼がない、不足していると感じることはありますか。あるとすればどこですか?
  • あなたの周りで、信頼関係が構築できていると感じる方を思い浮かべてください。その方とはなぜ信頼関係が構築できているのでしょうか?
  • あなたは信頼関係を築きたいと考えているのに、信頼関係を結ぶことができない人はいますか? いるとすれば、信頼関係を築くためには、あなたには何が足りないと考えていますか?
  • 信頼関係はあなたのビジネスにどのような影響を与えますか。信頼関係があまり構築されていない相手と仕事をする際と、信頼関係が構築されている相手と仕事をする際とを比較すると、どのように結果が異なっていくと思いますか?

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