ビジネス・パーソンのための信頼構築講座  第5回【信頼の5つの波】

信頼を5つのレベルにまとめたもの、それが「信頼の5つの波」です。静かな水面下に水を1滴垂らすシーンを思い浮かべてください。徐々に波が周りへ波及していくことでしょう。「5つの波」も同じです。第一の波が第二の波へ。第二の波が第三の波へ。徐々に徐々に波及していくのです。以下に簡単に概略を説明しましょう。

●第一の波:自分自身の信頼

自分自身の信頼とは、自分自身の信頼性「自分は他者から信頼されるべき存在であるか」ということです。

他者から信頼されるようになるには、まず自分自身のことを信頼できるようになることが必要です。たとえば、「今週は10キロ走る」と決意したにもかかわらず、「別に今週でなくてもいい、今週はちょっと疲れてしまったし」などと自分に立てた計画や約束を守れない自分に対して自信を持つことができるでしょうか。

また、そうした自分との約束を守ることのできない人が、他人との約束を必ず守ると言えるでしょうか。

誰かに信頼されたいと心から願うのであれば、「信頼に足る」人物にならなければならないのです。

自分との約束を破ってしまったときに失うもの、それは自分自身への信頼であることを再認識しましょう。

逆にどんなに小さな目標であれ、自分自身との約束を守ることで徐々に自分自身との信頼関係が構築されることでしょう。他人を信頼する前に、まず自分を信頼できるようになりましょう。

自分自身との約束を守ることで徐々に自信をつけ、自分自身を信頼した経験を思い出してみましょう。次はどのような約束を自分としますか?

●第二の波:人間関係の信頼

「信頼に足る人物」であれば、他者との信頼関係を築くことができます。どのようにして他者との信頼関係を高めていくかがここでのテーマです。この波の根底にある主要な原則は「行動の一貫性」であり、それをマスターするために有効なのが「信頼されるリーダーの13の行動」です。人間関係の信頼を築くスキルは、どんな階層、どんな組織の人にも有効です。1対1の状況においてどのように信頼を高めていくか。その考え方をマスターできれば、あらゆる人々との信頼構築に応用できます。

あなたが今信頼関係を築きたいと考える人は誰ですか? その人とはどのような場面で真意関係を築きたいと考えていますか?

●第三の波:組織の信頼

組織における信頼の有無は、ビジネスを行うにあたって非常に重要な要素です。信頼関係で成り立つ組織で仕事をしたいと誰もが思うでしょう。

個人のレベル、人間関係のレベルで信頼関係を構築できれば、組織における信頼とは、組織内のシステムやプロセスの整備ということになります。

いくら口で「皆さんを信頼していますから」と言っていても、すべての部屋に鍵をかけてしまっていては、組織内で信頼感は生まれないでしょう。

あなたの組織では、「信頼関係」は構築されていますか? 組織の中で、信頼にまつわるエピソードを思い出してみましょう。

●第四の波:市場の信頼

市場の信頼とはブランドや評判のことです。市場に信頼される組織は、評判が評判を呼び、ブランドとして確立され、顧客が離れることはないでしょう。信頼する企業のことは他者に紹介したくなるものですし、逆も然りです。

インターネットが普及した現代では、瞬時に企業の評判は世界中に伝わります。今後は、より市場の信頼が大切になってくるでしょう。顧客との信頼関係はどのように築けばいいのでしょうか。

あなたにひどい扱いをした、どこかの企業の対応を思い出してください。あなたはその企業のことを信頼していますか? また逆のケースも思い出してください。

●第五の波:社会の信頼

信頼の最後のレベルは、社会における信頼です。

昨今、企業のCSR活動やエコ活動など、社会貢献に対して積極的な企業は少なくありません。大きな意味で捉えれば、企業の存在意義は地域や社会に役立つことであるとも言えます。企業の社会貢献のニーズはますます高まっており、そうした活動が企業のブランディングに大きくかかわってくるでしょう。

あなたの知っている企業で、素晴らしい社会貢献活動をしている企業を挙げてみてください。また、あなたは、どのような社会貢献活動をしたいと思いますか?

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